出願手数料等に関する改定事項は、以下の3点である。

• 1 審査請求料が、現行の84,300円から倍額の168,000円に改定
• 2 出願手数料と特許料は減額
• 3 特許一件あたりの出願から権利維持に至る総費用は軽減されることになる。

　この改正により、審査請求料が値上げされることになるため，出願人にとっては審査請求を行う出願を厳選する必要がある。
　具体的には下表の料金体系になる。

　現行料金から改定料金への移行期には、審査請求料の引き上げによる出願人の負担増を緩和する措置がとられる。
　出願および審査請求の時期により、適用料金が以下のようになる。

• 1 平成16年4月1日以後の出願には改定料金が適用される。( 図1[A]のケース )
• 2 平成16年3月31日までに出願し、平成16年4月1日以降に審査請求した場合は、現行の低額な審査請求料および改定後の特許料が適用される。( 図1[B]のケース )
• 3 平成16年3月31日までに出願及び審査請求を行った場合には、今までどおりの料金が適用になる。( 図1[C]のケース )

　上記[B]のケースでは、平成16年3月31日までに出願しているので、審査請求が平成16年4月1日以後であっても現行の低額な審査請求料が適用され、さらに改定後の低額な特許料が適用されることから、総費用が断然安くなる。
　したがって、この機会を逃さないよう、平成16年3月31日までに出願をされることをお勧めする。

ケーススタディ
請求項数2、期間10年の権利にかかる出願から権利維持に要する総費用の比較
[A] 平成16年4月1日以降に出願した場合　⇒　407,800円
[B] 平成16年3月31日までに出願し、4月1日以降に審査請求した場合　⇒　324,500円

　産業技術力強化の観点から、従来の料金減免措置の対象が拡充され、中小・ベンチャー企業にとっては、特許取得に関する費用を抑えることができる機会が広がる。
　さらに、権利取得の促進を図ることができ、企業の特許戦略の取り組みへのインセンティブにもつながる。

• 1 減免措置の対象が、設立5年以内から、設立10年以内に拡充。
• 2 現制度にて減免措置を受ける場合には単独での出願が要件だが、改正後は共同出願の場合にも適用される。

以下の3要件を満たすこと。

• 1 資本金が3億円以下であること
• 2 設立10年以内であること
• 3 &法人税が非課税であること

本減免措置は、共同出願の場合にも持分に応じて適用される。

• 1 審査請求料が半額に減額
• 2 1年から3年分の特許料納付が、最長３年間猶予される