2005年11月1日

商標法一部改正について

平成17年6月15日法律第56号

「地域活性化は地域ブランドから」

 この度、商標法が改正され、平成18年4月1日から改正商標法が施行される。

 この改正商標法では、いわゆる「地域ブランド」を商標登録することができるようになり、「地域ならではの商品又はサービス(以下「商品等」とする。)を他の地域と差別化することができる」ようになった。

商標法一部改正のポイント

  • 改正点1
    「地名入り商標」が事業協同組合や農業協同組合によって使用され、他の複数の都道府県などに周知となった場合に、「地域団体商標」としての登録が認められる。
  • 改正点2
    「地域団体商標」が登録された後に、周知にはならず、或いはその地域との関連性がなくなった場合には、無効審判の対象となる。また、商品の品質が誤認されるような方法で登録商標を使用した場合には、取消審判の対象となる。
  • 改正点3
    「地名入り商標」の出願前に、第三者がその「地名入り商標」と同一の商標を使用してた場合には、第三者は自己のためであればこの「地名入り商標」を引き続き使用することができる。

「地域ブランド」は、主に以下のような場合に有効となる。
 ・特定の地域において他の地域にはない優良な商品等がある。
 ・商品等の質は良いのだが、知名度が低く、全国的な売上は伸びていない。
 ・地域経済を活性化したいが、決め手がない。

 以上のような条件が当てはまる場合、「地域ブランド」によって地域活性化を図ってみてはどうだろうか。

 「地域ブランド」とは、「地域の名称」と「商品等の名称」とを組み合わせたもので、例えば、「関あじ」「関さば」などを思い浮かべるとよい。
 「関あじ」「関さば」などは、あじやさばをブランド化することにより、他のあじやさばとの差別化を図り、地域経済の活性化を達成した良い例である。この「関あじ」「関さば」は、改正前の商標法で既に登録されているが(登録第4696358号)、今回の商標法改正ではこの「関あじ」「関さば」のような例が今までよりも容易に商標登録されるようになる。

「地域ブランド」による地域活性化の例

 1. 地域の特性を生かした優良な商品等を構築する。
 2. 事業協同組合や農業協同組合によってその商品等の品質を維持管理する。
 3. 「地域ブランド」を利用し、その商品等のピーアールを行い、他の都道府県等においても広く知られるようにする。
 4. 事業協同組合や農業協同組合がその商品等について「地域名+商品等の名称」で商標登録を行う。※注
 5. 商品等の質と「地域ブランド」が相まって、商品等の価値が上がり、価格競争に頼らない有利な販売戦略が立てられるようになるため、地域経済が活性化する。

 ※注 1~4は順不同であり、予め組合が地域ブランド確立のための計画を立て、商標出願を先にしておくことも可能。
 ただし、出願人は原則として何人も加入ができる事業協同組合等に限定される点に注意。

 尚、今回の商標法改正により「地域ブランド」の商標登録は容易になるが、本当に地域経済の活性化につながるか否かは商品等の質にかかっている。従って、組合やその構成員がどのように商品等の質を確保するかが「地域ブランド」による地域経済の活性化のカギとなる点に留意する必要がある。